映像の世紀 戦争の中の芸術家
番組イントロのこの映像は衝撃的でした。
今まで、様々な書き物でフルトヴェングラーとナチスの関係については読んでいましたが、こういうことだったかと改めて認識しました。ヒトラーのバカでかい顔写真を前にして、マイスタジンガーの前奏曲を演奏する。どんな気分だっただろうか。百万言の言葉での説明より、この映像が全てを示していました。
番組はこういう内容です。来週の月曜日まで再放送を見ることが出来るようですね。
キャプションの部分にあるように、フルトヴェングラーvsヒトラー、ショスタコーヴィッチvsスターリンのエピソードが中心ですが、ゲルギエフとか、バレンボイムとか、文学の話になりますが、火野葦平などの話題も出てきます。
それらのドキュメント映像の比較ですが、断然、フルトヴェングラーvsヒトラーの部分が面白かったです。どちらも大部分のエピソードは既に知られている話ですが、ショスタコーヴィッチvsスターリンの部分は映像より文字(言葉)が印象に残ります。対決の中心がスターリン(ファシズム)の悪辣さに対するショスタコーヴィッチの内面の抵抗だからでしょう。
フルトヴェングラーvsヒトラーでは対決の姿がフルトヴェングラーの演奏の姿と演奏会場の風景により、リアルに感じることが出来ると思いました。特に1942年4月「ヒトラーの第9」のフルトヴェングラーの指揮と演奏後にゲッベルスから握手を求められ、応じた後の複雑な表情は印象的でした。
これは演奏風景です。
そしてゲッベルスがステージに近づき、握手を求める。
このフルトヴェングラーの厳しい顔は凄いですね。
戦後、フルトヴェングラーは復帰したが、彼に対する批判は残った。ショスタコーヴィッチはスターリンの死後、社会主義の影の部分をはっきり示す音楽を書き続けた。
というエピソードの後に、突然、ウクライナでの戦争とゲルギエフの境遇の変化について紹介されました。
彼のルーツがロシアとジョージアの紛争地南オセチアにあることを省略して、プーチン支持を撤回しないため、西欧諸国への出入り禁止となったことのみをクローズアップしていたが、ちょっとゲルギエフに厳しすぎる映像だと思いました。
最後に、バレンボイムがイスラエルの演奏会で、ワグナー「トリスタンとイゾルデ」前奏曲を演奏しようとして騒動になった場面が紹介されます。観客のカメラで撮った映像を見せてくれました。これが実に興味深いです。
プログラムの全部が終了して、バレンボイムは
ご存じのようにバレンボイムはユダヤ人ですが、ワグナーの演奏の名手です。トリスタンの楽譜を持ち込んだのは計画的犯行でしょうね。
一部の観客が反発する。
さあ、大変です。ワグナー好きのユダヤ人もいます。「少数派の横暴に負けるな。聴かせろ」と、頑固な反ワグナー主義者に抵抗する。
プーチンではないが、反対派は得意のセリフ。「ファシスト」と賛成派を罵しる。
賛成派は「ワグナーを聴かないことを強制するのか。出て行け。」と反撃する。
反対派も負けてはいない。「演奏を止めろ。大バカども。」とさらに頑張る。
出て行け、止めろの大論争は30分続いたそうです。
最後まで反対派は頑張りは続くが、ついに「帰れ」コールに負け、退場。
演奏が始まりました。
冒頭の部分だけですが、こうして聴くと、トリスタンって、改めて凄い傑作だと良くわかりますね。
「ワグナーに反対し、彼の作品を聴かないというのは自由だが、他の人々にも聴くのを止めろという権利まではないはずだ」というバレンボイムの指摘はもっともだと思います。
ファシストとウクライナを罵って、侵略した大バカ共は、ウクライナから出て行くしかないのでしょう。
戦争に負けたあと、グレギエフはどうなるのだろうか。
(4月6日バレンボイムの記述を変更)
今まで、様々な書き物でフルトヴェングラーとナチスの関係については読んでいましたが、こういうことだったかと改めて認識しました。ヒトラーのバカでかい顔写真を前にして、マイスタジンガーの前奏曲を演奏する。どんな気分だっただろうか。百万言の言葉での説明より、この映像が全てを示していました。
番組はこういう内容です。来週の月曜日まで再放送を見ることが出来るようですね。
キャプションの部分にあるように、フルトヴェングラーvsヒトラー、ショスタコーヴィッチvsスターリンのエピソードが中心ですが、ゲルギエフとか、バレンボイムとか、文学の話になりますが、火野葦平などの話題も出てきます。
それらのドキュメント映像の比較ですが、断然、フルトヴェングラーvsヒトラーの部分が面白かったです。どちらも大部分のエピソードは既に知られている話ですが、ショスタコーヴィッチvsスターリンの部分は映像より文字(言葉)が印象に残ります。対決の中心がスターリン(ファシズム)の悪辣さに対するショスタコーヴィッチの内面の抵抗だからでしょう。
フルトヴェングラーvsヒトラーでは対決の姿がフルトヴェングラーの演奏の姿と演奏会場の風景により、リアルに感じることが出来ると思いました。特に1942年4月「ヒトラーの第9」のフルトヴェングラーの指揮と演奏後にゲッベルスから握手を求められ、応じた後の複雑な表情は印象的でした。
これは演奏風景です。
そしてゲッベルスがステージに近づき、握手を求める。
このフルトヴェングラーの厳しい顔は凄いですね。
戦後、フルトヴェングラーは復帰したが、彼に対する批判は残った。ショスタコーヴィッチはスターリンの死後、社会主義の影の部分をはっきり示す音楽を書き続けた。
というエピソードの後に、突然、ウクライナでの戦争とゲルギエフの境遇の変化について紹介されました。
彼のルーツがロシアとジョージアの紛争地南オセチアにあることを省略して、プーチン支持を撤回しないため、西欧諸国への出入り禁止となったことのみをクローズアップしていたが、ちょっとゲルギエフに厳しすぎる映像だと思いました。
最後に、バレンボイムがイスラエルの演奏会で、ワグナー「トリスタンとイゾルデ」前奏曲を演奏しようとして騒動になった場面が紹介されます。観客のカメラで撮った映像を見せてくれました。これが実に興味深いです。
プログラムの全部が終了して、バレンボイムは
ご存じのようにバレンボイムはユダヤ人ですが、ワグナーの演奏の名手です。トリスタンの楽譜を持ち込んだのは計画的犯行でしょうね。
一部の観客が反発する。
さあ、大変です。ワグナー好きのユダヤ人もいます。「少数派の横暴に負けるな。聴かせろ」と、頑固な反ワグナー主義者に抵抗する。
プーチンではないが、反対派は得意のセリフ。「ファシスト」と賛成派を罵しる。
賛成派は「ワグナーを聴かないことを強制するのか。出て行け。」と反撃する。
反対派も負けてはいない。「演奏を止めろ。大バカども。」とさらに頑張る。
出て行け、止めろの大論争は30分続いたそうです。
最後まで反対派は頑張りは続くが、ついに「帰れ」コールに負け、退場。
演奏が始まりました。
冒頭の部分だけですが、こうして聴くと、トリスタンって、改めて凄い傑作だと良くわかりますね。
「ワグナーに反対し、彼の作品を聴かないというのは自由だが、他の人々にも聴くのを止めろという権利まではないはずだ」というバレンボイムの指摘はもっともだと思います。
ファシストとウクライナを罵って、侵略した大バカ共は、ウクライナから出て行くしかないのでしょう。
戦争に負けたあと、グレギエフはどうなるのだろうか。
(4月6日バレンボイムの記述を変更)
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