レコード芸術が休刊

とうとう来るべきものが来たかという感想です。
2010年に別の出版社の雑誌ですが、「スイングジャーナル」という雑誌が廃刊になりました。この時「レコ芸は大丈夫かな」と思った。それから十数年、遂にこの時が来たようです。

まあ、それぞれ読者数が減少し、雑誌の売り上げが落ちて、廃刊に至ったというのは同じでしょう。ただ、ジャズは1960年代位が音楽としての流行のピークで、その後、ロックなどの新しいポピュラー音楽がメイジャーとなり、聴く人が減った。結果、雑誌の購読者が高齢化。終焉を迎えた。という事だと思いますが、クラシック音楽の場合、そもそも流行などしていなかった(ポピュラー音楽でなかった^^;;;)わけで、聴取者が減ったというよりは、レコード(CD)を聴く(購入する)人が減った。結果、廃刊に至ったという部分は異なるのではないでしょうか。


これはYahoo!の「音楽配信は成長続くが音楽ソフトは縮小継続」という記事にある音楽CD・音楽配信の売上動向をグラフにしたものです。ご覧の通り、音楽配信の売り上げは伸びているが、音楽CD(ソフト)は減少の一途です。
まあクラシック音楽愛好家は新しいものに対し保守的ですからこのグラフ程ではないのかもしれないが、クラシック音楽CDの売り上げも減少していることは確実でしょう。


同じ音楽之友社のサイトで、休刊のお知らせの一月前に、こういうお知らせがあることを発見しました。内容は

1941年(昭和16年)12月に刊行され、日本の音楽雑誌として最も長寿を誇るクラシック音楽専門誌『音楽の友』が、いよいよデジタル版(電子書籍)として登場します。
皆様のスマートフォン、タブレット、PCでお読みいただくことが可能となりました。
本誌はもちろん、毎月の別冊付録「コンサート・ガイト&チケット・インフォメーション」もあわせてお読みいただくことができ、より一層『音楽の友』を身近に、お手元においていただけます。

「何だ分かっているのね、確信犯なのね」。
レコ芸の読者は雑誌のデジタル化について来れないと判断されたようです。
ちなみに休刊のお知らせの内容は以下の通り。


クラシック・レコード評論の専門誌として1952年3月に創刊し、70年を超えてご愛顧いただきました『レコード芸術』ですが、近年の当該雑誌を取り巻く大きな状況変化、用紙など原材料費の高騰等の要因により、誠に残念ではございますが2023年7月号(6月20日発売)をもちまして休刊にいたすこととなりました。長きにわたり支えてくださった読者の皆様、ご寄稿いただいた執筆者の皆様、レコード会社各社をはじめクライアントの皆様、制作にご協力いただいた関係者の方々に御礼申し上げるとともに、今後もご購読を予定されていた読者の皆様に心よりお詫び申し上げます。

50年来の読者としては無念な限り。最近、月評はさっぱり読んでいないが、長木さんの連載とか、伊東さんと片山さんの往復書簡とか、面白い記事はあって、愛読していたのになぁ。
さっさとCDなんか捨てて、サブスク中心、インタネットのクラシックの世界に飛び込むことが出来なかったのか !!


レコ芸の今月号(4月号)の特集は「神盤再聴」。まさにレコ芸読者への挽歌でしたね。
折角「フルヴェン・カラヤンさようなら、クルレンツィス・ロトこんにちは。ハイフェッツ、ポリーニさようなら、コパチンスカヤ・ユジャワンこんにちは」していたのになぁ。「CD/SACDさようなら、サブスク・配信こんには」が出来なかったのは残念。
2023.04.15 16:01 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 音楽 | com.gif コメント (0)
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