みみず工房サイトの移転
みみず工房は2009年にスタートさせていますが、これまで2回サーバを変えています。いずれも、構成はそのままでサーバーを移転しただけでした。今回はsakuraサーバーからawardサーバーに移転しますが、構成も大きく変えました。現時点で主要なデータの移行は終わり、これから、音楽コンテンツページの変更に着手します。今までのトップページはこちら。


今回のトップページはこちらです。


従来も、みみず工房のメインコンテンツは記事という名前のブログページだったので、記事をブログに変え、トップページにして、継続することにしました。従来のトップページからリンクされる音楽コンテンツについてはトップ(ブログ)ページのリンクからコンテンツ目次ページにアクセス出来るように変更するつもりです(現時点では旧サーバのトップページにリンクしてあります)。記事ページについても、直接、トップ(ブログ)ページのリンクからアクセス出来るようにしました。
音楽コンテンツについては数年前にYouTubeに移行し、mp3ファイルで、直接、再生出来るようにしています。従って、Midファイルで公開しているマンデルブロ関連の曲を除き、これで対応出来るかなと考えています。

旧掲示板はアクセス数は多いので、ブログページのリンクからアクセス出来るようにしました。ただし、新規の記事についてはコメント可能なブログソフトを使っているので、それぞれ記事に関連するコメントはこちらにお願いします。従来の掲示板はほとんどがPCオーディオ関連の話題ですので、PCオーディオ関連の投稿は掲示板に行って頂ければよいでしょう。この掲示板、スパム投稿が多く対策に苦労しています。旧サイトからリダイレクトするのは止めにしました。

記事、自己紹介、プロファイルなどのページの移行については作業は完了しており、旧サイトのページは新awardサイトの対応するページにリダイクトするように変更しました。その他の旧サイトのページは残してあります。
旧サイトに残してあるページのヘッダーメニューは変更していません。従って、どちらのサイトのページ表示されるかは作業中の状況次第です。ご理解よろしくお願いします。

新サイトのページのヘッダーメニュー


こちら新サイトのページにリンクされます。
2023.04.02 18:19 | pmlink.png 固定リンク | folder.png その他 | com.gif コメント (0)
クルレンツィスはどうしてる
クルレンツィスはロシア国籍を2014年に取得しているようです。ギリシャ人、ロシアのウラル山脈の麓に位置するペルミを本拠とするアンサンブル(ムジカエテルナ)から登場したということは知っていましたが、ロシア国籍を持っているとは知りませんでした。ムジカエテルナもペルミからサンクトペテルブルクに移っています。いまや、ロシア第二の都市のメイジャオーケストラに昇格したということのようです。


これが、今回、話題にする人物が関連する国々と都市を含む地図です。ヨーロッパは広いですね。
赤はクルレンテツィスの場所、青はプーチンが仕事をしてきた場所、黄はゲルギエフに関係する地域を示しています。

アテネ、ペルミ、サンクトペテルブルグ、ドレスデン、ミュンヘン、オセチア、それぞれ、モスクワを中心にして1000Km~2000Km離れています。札幌・福岡間が約900Kmで、中国まで行って、東京・北京が1500Kmですから、やっぱりヨーロッパは広いです(^^;;;。


クルレンツィスは、ギリシャ、アテネの生まれで、サンクトペテルブルグで音楽を学び、ペルミで指揮者としての地位を築き、育てたオーケストラと一緒にサンクトペテルブルグに戻った、というキャリア。写真はフェースブックからフォーレ・レクイエムの演奏時のもの。


プーチンは、サンクトペテルブルグ生まれで、ドレスデンでスパイ活動に励み、サンクトペテルブルグに戻り、出世し、モスクワで大統領に抜擢されたという経歴の持ち主です。写真は例の裸で馬に乗っている動画から取り出しました。ボケボケですね。まあ、ピントがあうと顰蹙をかうだろうから、この方がいいでしょう(^^;;;。

最後にゲルギエフです。この人はモスクワ生まれらしいが、両親がジョージア南オセチア出身です。ここは、2008年プーチンが首相時代に指揮をとり、ロシアが最初に軍事侵攻した場所ですね。写真は省略。

さて、ウクライナ戦争の結果、ロシアの音楽家は次々と国外脱出。残っているのはゲルギエフのように複雑な事情(オセチア人)のある人物だけという状況のようです。

クルレンツィスは、ゲルギエフのようにプーチンへの忠誠を誓っているわけではないし、ロシアとは縁の少ないギリシャ出身ですが、ロシアに留まり、頑張っています。音楽教育のベースはサンクトペテルブルグの音楽院だったし、育てたムジカエテルナとは別れがたいという理由でしょうか。
しかし、オルガリヒ(VTB銀行)の支援を受けるムジカエテルナが国外に出ることは簡単ではないので、去年春の日本公演は中止になりました。ザルツブルグ、ウィーンなどでも一部の公演は中止になっています。


写真はまだ日本に来ることの出来た2019年の公演のもの(FaceBook)です。
クルレンツィスの場合、国外での指揮活動は許容されていますす。ゲルギエフのように、常任指揮者(ミュンヘン・フィル)の地位を首になるということはなく、SWR(南西ドイツ放送交響楽団)の首席指揮者の地位もは続され、ザルツブルグに出演しています。ただ、非難の嵐は厳しいようです。この辺りの事情はこの記事(BR-KLASSIK)に書かれています。ドイツ語ですが、翻訳ソフトを使えば十分に解読できます。一部、紹介してみましょう。

クルレンツィスが批判されたのは、政治的に明確にロシアのウクライナ侵略を批判しなかったことだけでなく、何よりも、彼が設立した彼のアンサンブル musicAeterna が、西側の制裁の影響を受けているクレムリン関連のロシアVTB 銀行によって後援されているためです。このアンサンブルは、国営企業ガスプロムの支援を受けてロシアでもツアーを行っています。SWR は Currentzis とのみ連携し、そのアンサンブルとは連携しないと主張できますが、他の主催者は別の状況に直面しています。たとえば、ウィーンのコンツェルトハウスは行動を起こし、クルレンツィスと彼のアンサンブルによる慈善コンサートをキャンセルしています。ウィーン・コンツェルトハウスは、ウクライナに対するロシア連邦の侵略戦争によって引き起こされた計り知れない苦痛の時代に、サンクトペテルブルクを拠点とするオーケストラの演奏の政治的側面を無視してはならない、とウィーン・コンツェルトハウスのディレクター、マティアス・ナスケは書面で述べています。

ということです。厳しい状況ですね。

ウクライナ戦争後のクルレンティスのヨーロッパでの演奏は継続されていて、日本でも、いくつかの公演はストリーム放送で聴くことが出来たようです。「くらはしのクラシック日記」(
クラシック音楽ブログの老舗です)に関連の記事があります。

2022年4月8日クルレンツィス SWR響演奏会 リーダーハレ・シュトゥッツガルト(SWR-Classic)
オレクサンドル・シュチェティンスキー:オーケストラのためのグロッソラリー、イェルク・ヴィドマン:ヴィオラ協奏曲、ショスタコーヴィッチ:交響曲第5番ニ短調、バッハ:カンタータBWV147から「主よ、人の望みの喜びよ」

2022年10月9日 クルレンツィス指揮 ユートピア交響楽団 ウィーン・コンツェルトハウス(Survus tv-YouTube)
ストラビンスキー:組曲 火の鳥、ラヴェル:ダフニスとクロエ 第2組曲、ラヴェル:ラ・ヴァルス、ラヴェル:ラヴェル:ボレロ(アンコール)

どちらもクルレンツィスにとっては節目になる演奏会だったようで、ブログ記事は興味深く読めます。

ユートピア交響楽団は、クルレンツィスの呼び掛けに応じた、世界28ヶ国120名からなるオーケストラ。彼が首席指揮者を務めるムジカ・エテルナとSWRが中心になっていると推測されます。数年前から計画していたそうで、ロシアのウクライナ侵略とは直接は関係ないようです。ただ、結果的、良いタイミングになってしまったということでしょう。今年の秋にでヨーロッパ・ツアーが実現し、上記の演奏会を含むウィーン、ベルリンなどデビュー・コンサートが行われたようです。リンク先記事の最後の部分が面白い。

クルレンツィスはお披露目の儀礼を多少意識してか黒のスーツにネクタイ、だが指揮振りは変わらない。オーケストラも全員立奏(チェロを除く)、SWRではそうはいかないが自分が作ったオケでは自分流を通す。このプログラムは彼の良さを発揮するに最適だった。交響曲はどうかと思うが、バレエの為の音楽はバレエを見せるためのものだから音楽だけなら行き過ぎがあっても面白いと思う。
この映像は個人がTV録画を投稿したようですぐ削除されていた。一瞬のタイミングであった。

ということです。
SWRの演奏会はウクライナ戦争開始の1カ月後です。クルレンツィスの初のヨーロッパでの演奏会だと推定されます。このため彼がウクライナ戦争をどう考えているかをプログラミングで表明したようです。
最初のシュチェティンスキーはウクライナの作曲家、二番目と三番目は戦争/独裁者への抵抗の音楽、最後のバッハは平和への祈りという構成で、公にはウクライナへの支持を表明出来ないクルレンツィスの立場を示したのでしょう。

さらに、この後、彼はクリミア出身(!)で現在はオーストリアに亡命(!!)している作曲家の作品(Alexey Retinsky -"Krauseminze")も初演しています。この演奏は今でもYouTubeで聴くことが出来ます。


YouTube演奏はこちらで聴くことができます。
この曲はダルムシュタット音楽祭からの委嘱を受け作曲された作品のようですが、典型的なダルミシュタットスタイルですね。まだこういうスタイルで頑張っている作曲家がいるとは知りませんでした。さすがドイツですね。
演奏も素晴らしいです。こういう曲をやると、クルレンツィスと水を得た魚ですね(^^)。

クルレンツィスの公式サイトはこちらです。


このサイトの情報では、ムジカエテルナ公演は問題なく行われているようです。

4月4日 サンクトペテルブルク ストラヴィンスキー:ペルセポネ、詩篇の交響曲
4月6日 モスクワ音楽院 ストラヴィンスキー:ペルセポネ、詩篇の交響曲
5月14日 バルセロナ リヒャルト・シュトラウス:メタモルフォーゼ、チャイコフスキー:交響曲第6番

また、2023年6月から7月にペルミで開催されるディアギレフ・フェスティバルへの出演予定(ムジカエテルナ)や夏のザルツブルク音楽祭でのプログラム(こちらはユートピア交響楽団)が紹介されています。

不思議な状況ですね。
2023.03.20 11:30 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 音楽 | com.gif コメント (0)

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