Bing AIはチャットGPTの最新版のエンジン(GPT4)を使ったマイクソフト版のチャットAIです。
Bing AIとチャットGPT機能的はチャット部分のカスタマイズは多少違うらしいが、AI機能については同じGPT4を使っているので、AIとして見れば、同じです。もちろん、自己学習方法、個人情報保護、不正行為防止などの観点では、相違点はあるはずです。
「GPT4を使ったチャットGPTは有料ですが、Bing AIは無料です」ということなので、試してみました。利用にはマイクロソフトのIDが必要です。オープニング画面はこんな感じです。
実際の画面のやりとりはこんなスナップショットとなりますが、文字が見えにくいので、Copy&Pasteします。
最初に、前回の記事から、以下の文章の添削をお願いをしてみました。
ご覧のようにこの場面ではテルラムント側は赤、国王側は緑のガウンを着ています。このガウンですが、裏返すと色を変えることが出来ます。これが演出上の有力な武器として使われます。」を添削して下さい。
BingAIの回答です。
この文章は、日本語で書かれていますね。ご質問の意図が正確に理解できていないため、回答に不足があるかもしれません。もう少し詳しくお話しいただけますか?例えば、この文章は何に関するものでしょうか?
質問の背景を訊ねてくるとは。なかなかシッカリしていますね。
「いけシャアシャアと嘘をつく」という批判に応え、改良されたようです。
そこで、
オペラの演出です。
と教えてやる。
すると、
なるほど、オペラの演出についてのご質問ですね。この文章は、オペラ「ローエングリン」の演出についての説明だったようです。ご覧のように、この場面ではテルラムント側は赤、国王側は緑のガウンを着ています。このガウンは、裏返すと色を変えることができるため、演出上の有力な武器として使われます。12 このような演出は、オペラにおいてよく用いられる手法です。3
やりますね。立派。一回目では答えず、確認するための情報を得てから、添削を開始するあたりは賢明な振る舞いです。
こちらが「オペラの演出」と答えただけで、ローエングリンを推察したのも素晴らしい。クラシック音楽に精通しているのだねぇ。凄いものです。
添削結果も概ね妥当だと思います。文章の区切りの変更も添削後の方が良いと思います。また、「演出上の有力な武器」という表現はもっと平板な表現にされるかと予想していましたが、そのまま残して、その後に「このような演出は、オペラにおいてよく用いられる手法です。」と補ったのはなかなかの力量ですね。感心しました。
小文字の数字(12など)は参考にしたリンクを示しています。この内容も妥当でした。
使えると分かったので、次なる実験。フェークニュースを見破れるかどうかです。
これは最近、ツイッターで出回っている変な木の怪情報です。
僕の参加しているライングループでも、早速、情報通の方が投稿してくれました。
この情報の真偽をBingAIに聞いてみました。
マハメル(宝塔花)について教えて下さい。
「マハメル(宝塔花)」は、ヒマラヤのチベットに400年に一度咲くと言われる吉祥花で、開運招福の花として有名です1。花の形は、宝塔のような形をしていることから「宝塔花」とも呼ばれます2。
ただし、この話は都市伝説であり、実際には400年に一度咲くわけではないとされています2。また、この花が咲く場所や時期についても、諸説あるようです1。
以上、参考になれば幸いです。
というお答えでした。
リンク先はこちら。全部トイッター系の怪しげな情報ばかりですね。
アメバブログ
togetter
一方ライン仲間のチャットでは、こういう具合でした。
17:24 これは…怪しいようですね??ブログ掲載禁止??ですね、
17:26 この宝塔花(ほうとうか)、(ほんとうか?)
17:26 軽いオヤジギャグ??です。
17:29 オ?、さすが(さすが)ですね?
一番信用できそうなのは「この宝塔花(ほうとうか)、(ほんとうか?)」というオヤジギャグ。さすが日本のオヤジは凄い。楽々とフェーク情報を分析。鮮やかな手さばきで分析してみせてくれました。
フェークの次は、フェークのようだが、実は正しい情報。「宝塔花」で盛り上がった後の、ラインチャットでのやりとりです。
17:36 それでは真実を…今が満開です
17:36 画像
17:37 滋賀県のささき神社に咲く、なんじゃもんじゃの木です。
画像はこちら
BingAIに質問してみました。
なんじゃもんじゃの木とはなんじゃ。
「なんじゃもんじゃ」とは、特定の場所に生えている見慣れない立派な植物、怪木や珍木に対して地元の人々が付けた愛称で、特定の植物の種名ではありません1。一般的には、「ヒトツバタゴ」を指すことが多いようです12。ただし、地域によっては、他の樹種を指す場合もあるようです3。
以上、参考になれば幸いです。
だそうです。正しい情報がある質問をすると、ちゃんと対応出来ています。
リンク先はこちら。
WikiPediaナンジャモンジャ
WikiPediaヒトツバタゴ
BOTANICA
こやつもWikiPedia頼みなのだねぇ(^^;;;。
ちなみに、ラインチャットの状況。
17:49 BingAIに座布団一枚
17:51 何でもんじゃが入るのですかね、
17:51 正式名称はヒトツバタゴなんですよね。
なんじゃもんじゃの木は愛称なんですよね。
昔日立のコマーシャルで、この木なんの木気になる木の歌があり、なぜか私それをなんじゃもんじゃの木と認識していました。(笑)
17:52 愛称ですか。
17:59 近くでは、茅ヶ崎市の成就院にもあるもんじゃ、…座布団??
18:00 これ散歩の途中に寄った記憶があります。確かにもんじゃの木とか案内してあったと思います。
こんな具合に盛り上がりましたよ。
BingAIは正しい情報が存在する質問であれば、正しい回答は出来るようです(当たり前ですね^^;;;)。インタネットではプログラミングに関して、正しい情報が十分にありますので、その質問をしてみることにしました。長くなったので、続きは次回に。
メットのワグナーというと古典的な舞台や衣装による演出ばかりと思っていたのですが、いつの間にかヨーロッパ最先端「読み替え」演出を追っかけるようになっていたのですね。
今回のローエングリンもその例で、時代は核戦争後の未来。人類は地下に住むようになったという想定のようです。舞台中央に天上(天井 ?)を見上げる大きな穴が空いていて、そこから空や月が見える。
こんな感じです(写真はこのライブビューイングを案内するサイトの映像と写真から)。第一幕、テルラムントがエルザを弟殺しで告発する場面です。赤い月が印象的です。
このオペラで合唱が重要な役割を担っているのはご存じの通りですが、この合唱(群衆として)の演出が見事です。
ご覧のようにこの場面ではテルラムント側は赤、国王側は緑のガウンを着ています。このガウンですが、裏返すと色を変えることが出来ます。これが演出上の有力な武器として使われます。
そしてエルザが登場する。エルザに照明をあて群衆のガウンの色が消える。舞台の印象がまるで変わります。
エルザは身の潔白を証明する騎士の登場を予言する。舞台は暗くなり、天上も闇となる。
ローエングリン登場の直前。天上が明るくなり、月が白鳥のような姿となり、ローエングリンが現れる。
ノーネクタイ、ワイシャツ姿。ビックリですね。しかし、不思議に周りの光景に調和しています。
群衆のガウンは色が白に変わっています。
そして裁判(決闘)の場面。天上の月が消え、赤と白の不気味なシュルエットが表示される。
第一幕終わり近く。裁判が終わり、天上も地下も緑と白を基調とする色彩に変わる。鮮やかな印象を残します。
次に第二幕。
オルトルートが復讐を誓う場面、天上は真っ暗です。
オルトルートがエルザにローエングリンの素性を問うことを暗示する場面。天上の穴はクッキリ見えるが、中身は真っ暗。しかし、右上部に何か怪しいものが。
群衆のガウンは白。
最後に天上にははっきりと罠の象徴が。群衆のガウンも黒に変わっています。
第三幕
結婚行進曲です。この曲が結婚を祝う曲でなく、これから先の悲劇を予見させる場面であり、曲であることよく分からせる演出、演奏でした。
遂にエルザがローエングリンクに素性を問い質す。天上から月は消え、怪しい雲のみ。
テルラムントによるローエングリンへの襲撃が再び失敗に終わり、テルラムントは死ぬ。天上からはオルトルートが襲撃の首尾を覗いています。
最後にローエングリンは故郷に帰る。天上の色彩は緑に変わる。この色は一幕の終わりと一緒ですね。エルザには悲劇だったが、地下の王国の平和は保たれたということなのでしょう。
そして、天上は再び赤に。どういう意味なのですかね ?
このオペラはヒトラーが愛聴したので、悪いイメージをもたれてしまい、読み替え演出が必須となっているようです。
バイロイトでは結婚行進曲はネズミの行進というような超過激な読み替えもあるようですが、今回の読み替えは見事なものだと思いました。
問いあかせない謎に苦しみ、破滅する悲劇は地球が核の灰で住めなくなっても続く。解決は宇宙から来るという解釈は面白いですね。
オルトルートはマクベス夫人を思い起こさせますが、あまり指摘する人がいなませんね。ワグナーがシェイクスピアの影響を受けたという話は聞きませんが、この強烈なキャラクターの二人の女性には多くの共通点があると思います。
ヒトラーもオルトルートを愛し、同じ手口でドイツ国民を欺き、まんまとナチ政権を登場させ、悪の限りをつくした。スターリンもプーチンもいっしょ。ということですね。
とうとう来るべきものが来たかという感想です。
2010年に別の出版社の雑誌ですが、「スイングジャーナル」という雑誌が廃刊になりました。この時「レコ芸は大丈夫かな」と思った。それから十数年、遂にこの時が来たようです。
まあ、それぞれ読者数が減少し、雑誌の売り上げが落ちて、廃刊に至ったというのは同じでしょう。ただ、ジャズは1960年代位が音楽としての流行のピークで、その後、ロックなどの新しいポピュラー音楽がメイジャーとなり、聴く人が減った。結果、雑誌の購読者が高齢化。終焉を迎えた。という事だと思いますが、クラシック音楽の場合、そもそも流行などしていなかった(ポピュラー音楽でなかった^^;;;)わけで、聴取者が減ったというよりは、レコード(CD)を聴く(購入する)人が減った。結果、廃刊に至ったという部分は異なるのではないでしょうか。
これはYahoo!の「音楽配信は成長続くが音楽ソフトは縮小継続」という記事にある音楽CD・音楽配信の売上動向をグラフにしたものです。ご覧の通り、音楽配信の売り上げは伸びているが、音楽CD(ソフト)は減少の一途です。
まあクラシック音楽愛好家は新しいものに対し保守的ですからこのグラフ程ではないのかもしれないが、クラシック音楽CDの売り上げも減少していることは確実でしょう。
同じ音楽之友社のサイトで、休刊のお知らせの一月前に、こういうお知らせがあることを発見しました。内容は
1941年(昭和16年)12月に刊行され、日本の音楽雑誌として最も長寿を誇るクラシック音楽専門誌『音楽の友』が、いよいよデジタル版(電子書籍)として登場します。
皆様のスマートフォン、タブレット、PCでお読みいただくことが可能となりました。
本誌はもちろん、毎月の別冊付録「コンサート・ガイト&チケット・インフォメーション」もあわせてお読みいただくことができ、より一層『音楽の友』を身近に、お手元においていただけます。
「何だ分かっているのね、確信犯なのね」。
レコ芸の読者は雑誌のデジタル化について来れないと判断されたようです。
ちなみに休刊のお知らせの内容は以下の通り。
クラシック・レコード評論の専門誌として1952年3月に創刊し、70年を超えてご愛顧いただきました『レコード芸術』ですが、近年の当該雑誌を取り巻く大きな状況変化、用紙など原材料費の高騰等の要因により、誠に残念ではございますが2023年7月号(6月20日発売)をもちまして休刊にいたすこととなりました。長きにわたり支えてくださった読者の皆様、ご寄稿いただいた執筆者の皆様、レコード会社各社をはじめクライアントの皆様、制作にご協力いただいた関係者の方々に御礼申し上げるとともに、今後もご購読を予定されていた読者の皆様に心よりお詫び申し上げます。
50年来の読者としては無念な限り。最近、月評はさっぱり読んでいないが、長木さんの連載とか、伊東さんと片山さんの往復書簡とか、面白い記事はあって、愛読していたのになぁ。
さっさとCDなんか捨てて、サブスク中心、インタネットのクラシックの世界に飛び込むことが出来なかったのか !!
レコ芸の今月号(4月号)の特集は「神盤再聴」。まさにレコ芸読者への挽歌でしたね。
折角「フルヴェン・カラヤンさようなら、クルレンツィス・ロトこんにちは。ハイフェッツ、ポリーニさようなら、コパチンスカヤ・ユジャワンこんにちは」していたのになぁ。「CD/SACDさようなら、サブスク・配信こんには」が出来なかったのは残念。